2012年12月15日土曜日

再びスピーカーのお話(パイオニアのS-A4SPT Spirit)

再びスピーカーのお話(パイオニアのS-A4SPT Spirit)


先月、来年海外赴任付の異動となっちゃいました。

それで現地でどんな環境で生活しようかと思い悩む(内心わくわくですが)毎日を過ごしております。

「どんな」の中に大好きな音楽鑑賞環境があり、これについてあれこれ思いを巡らしております。自宅のオーディオについてなんです。生演奏の鑑賞は後日書きたいと思います。

電源電圧が違うので現地で購入しようか、現地では日本ほどの製品が揃ってないので変圧器を持ち込もうかなどなど。高級品ではないけれど、ぜひ小型で良い音がいいななどなど。

とりあえずスピーカーを、ということで試しに先日ヤフオクでジャンク扱いの非常に小型のパイオニアのS-A4SPT Spiritなるものを非常にお安く購入しちゃいました。

私にとってはパイオニアのスピーカーは40年ぶり。もともとの標準価格も安かったので、こんなものかな。

ジャンク扱いということで確かにインクロージャーに傷がたくさんあるのですが、現在のオーディオに繋いで音を出してみると。。。

むむむ。。。汗 えー!!??うそぉ~っ?!
\(^▽^)/
う~ん。値段を知らずに音だけ聴かされると10万円位のスピーカーかなと思えるくらいの音ですね。チェロの胴鳴りと艶、高音・中音・低音のバランス、ぜんぜんキンキンしてませんが明快で爽やかなな音色。中国製だったからここまでの価格になってるのかもしれませんね。そういえば私の愛機QUAD 11L2も中国製だったかな。

ジャズ、クラシックをお聞きで、安い小型のスピーカーをお探しでしたら、今は中古品しかありませんがダントツお勧めです。現在この発展型でモルトスピーカーが出ていますが高額ですし、試聴しましたが値段ほどの違いがないように思われます。(*^▽^*)ノイイヨネ!

次のお買い物予定はレシーバーアンプです。

2012年11月10日土曜日

バッハの無伴奏チェロ組曲について<追記あり>

バッハの無伴奏チェロ組曲について<追記あり>

-für J.S.Bach, Suiten für Violoncello solo BWV 1007-1012
-关于巴赫的“无伴奏大提琴组曲”

このBachの無伴奏チェロ組曲はカザルス(Pablo Casals)が見出したことでも有名です。





20代のときにCasalsの演奏をレコードで聞き感動したのが、私の関わりの始まりでした。当時のレコードは失ってしまいましたが、今は同じ演奏のCDを所持しています。

























その後、ロストロポーヴィチ(Mstislav Leopol'dovich Rostropovich)、シュタルケル(János Starker)、ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)、井上頼豊(INOUE, Yoritoyo)、鈴木秀美(SUZUKI, Hidemi)、フルニエ(Pierre Fournier)たちの演奏も聞いて来ました。それぞれの美しさ、感動がありました。





私にカザルス以上に感動を与えた、無伴奏チェロ組曲を最も好きなクラシック曲の1つにしたのは、ミッシャ・マイスキー(Mischa Maisky)の1980年代の演奏でした。Bachが活き活きと躍動するのです。










でもでも最近、1990年代の終わりに録音した彼のCDを入手し、更に表現が過激になっているのを聞きました。

第1番の出だしなどは、エー????と感じますが、聞いていくうちに、ん?ん?う~ん???!!!ひょっとして!?という感じがあります。



すごく聞きなれないテンポなので私の感性が壁を作っているところがありますが、その壁越しに何か怪しく光る、いや煌々と光る宝物があるような匂いがするのです。

ある所などは1980年代を遥かに越えるような表現を感じます。もっと聞き込んでみたいと思わせるCDです。


実はWebで無伴奏チェロ組曲で検索すると同じようなご同輩が何人も居られ、人によってはこの新しい録音に低い評価をする方も居られますが、人によっては絶賛されています。今後の私の感性の鍛えようによって評価が大きく変わりそうですね。

<追記:2012/12/15>
この間マイスキーの演奏を聴き続けて来ましたが、ふと気疲れしたある土曜日、鈴木秀美の演奏を聞いた時に、不覚にも涙が出てしまいました。

鈴木秀美の演奏はそんなところがあったのですね。初めて気づきました。う〜ん。バッハの無伴奏チェロ組曲は奥が深いですね。まだまだ理解できてないような気がします。

2012年9月29日土曜日

古い小型スピーカーで不思議な体験

古い小型スピーカーで不思議な体験

 今日は安物のスピーカーですが大変不思議な体験をしました。

 10年以上も前に、音楽を聴くためのアンプなどのセットは別途所持していましたがパソコンの音楽の音出し用として机上に置くためにDENON SC-E717という小型スピーカーを購入しました。それなりに使っていました。音は少しこもったような低音がやけに出るスピーカーかなと思っていました。

 その後現在のマンションに引越ししました。

 717はその役目も終え、ベッドサイドの睡眠・目覚まし用としてONKYOのCR-D2に繋いで使っていました。

 その後CR-D2を息子に渡しKENWOOD R-K1を購入しました。
 実は、この柔らかめのアンプに併せてしゃきっとしたスピーカーを新調しましたので、717はその役割を更に終えとうとうテレビのスピーカーとなりました。

 特段違和感なく使っていましたが、テレビにはAppleTVを接続したのでiTuneの音楽も聴けるということになりさっそく試聴。
 ん?スケール感はさすがにもう1つですが、全体の音のバランスがいいのです。音を聴くというより音楽を素直に聞ける。。。汗 高音はキンキンしてないけどスーッと出てるし中音はもちろん厚く、低音も中々のものです。

 ひょっとしてこのスピーカーはアナログアンプよりデジタルアンプ向き?と思った次第です。このスピーカーってこんなに潜在力があったのか???スピーカーとアンプの組み合わせとは、こういうものかと実感したのでした。



<追記>
その後わかったことですが、接続をしているテレビは今難儀しているSHARPのAQUOSの初期のハイビジョン・テレビで1ビットアンプを搭載しているようです。どうりで音が良いはずですね。
このスピーカーはアナログ・アンプよりもデジタル・アンプの方が相性が抜群ですね。低音から高音までフラットで明瞭な音が出ます。が、全然キンキンしてなくて音楽性に富んだ音で非常に聴きやすいですね。アナログ・アンプだともわっとして内向的な音になるようです。


2012年8月26日日曜日

あるデジカメ考 ーRX100について

あるデジカメ考ーRX100について

・・高級コンパクト機の歴史とデジタルカメラ・・


 私は長いフィルムカメラ歴の後、デジタルカメラを使い始めて何年になるでしょうか。

10年以上になりますか。

 最初は、KODAK社製DC20を購入しました。


 18万画素で外見もプラスティックで玩具のようですが、値段は今の普及コンパクトデジカメ以上の値段だったと思います。

 何しろ、カメラから画像データを読み込めるということ、感度が高く室内でもストロボなしで他の操作も気にせずパチパチ撮れることに、非常に感動した記憶があります。
 ただし、内蔵メモリのためか8枚までしか一度に撮影できません。
 記念写真を撮るというより生活の身の回りの物をパチパチ撮ったことを思い出します。
 今ではあたりまえのオートフォーカスではなくて、固定焦点だったと思います。

 あれから10数年、富士フィルム、SONY、Canon、Ricoh、Panasonicなど各社のものを使って来て、数年前からは主力カメラとしてOlympus社のフォーサーズのE3、マイクロ・フォーサーズのE-P1とPL3などを使っています。
 コンパクト・デジカメは同社のXZ-1です。
 画質は満足、レンズも優れものが多く、初期のE-P1はタイムラグに戸惑いましたが、PL3は反応も早く海外、国内旅行、記念撮影でも大変活躍しています。

 ところが、数カ月前にSONYからRX100というサイズはコンパクトだけど受光素子と値段は中級機並みのカメラが発売されました。

 カメラ雑誌のレポートを一見して、すぐに私の感性に触れたものがありました。
写真はSONYさんのWebからお借りしました

 しかし値段がマイクロ・フォーサーズのレンズキットよりも高額になりますので、悶々とした毎日を過ごしておりました。

 ある日、機会あって量販店で触ってみると、なかなかの感触です。
 うーん。。。。他のデジカメにも触りつつ、悩むこと数時間。
 専用ケースもメモリも同時購入ということで値段交渉の末、そこそこ値切った結果、もう引き下がれません。ということで、祇園祭の宵山に間に合うよう購入してしまいました。

 操作感、画質、トーンの出方は予想通りのもので、大変満足できるものです。ただし、私のとり方であるバシバシ、スナップ写真を撮るカメラではありませんでした。理由は美しさを優先したデザインにあります。電源ボタン、シャッターボタンがブラインド・タッチでは分かりにくい形状になっているためです。気がついたらシャッターではない場所を押していたということが度々ありました。まあ、慣れればそこそこ克服できるとは思います。SONY社の一眼レフタイプのカメラは動画はともかくスチール写真の問題点が指摘されていますが、このカメラは単純な構造なので問題が出ていないようです。
 使用レポートはまた後日にさせていただきたいと思います。

 今回ここでレポートさせていただく主題ですが、このカメラをさわっていて、ふと今まで使ってきた2つのカメラに似てるなぁと思ったことです。

 そのカメラは、どちらもフィルム時代に高級コンパクト機と呼ばれたものです。
 1つは、京セラ時代のCONTAX-Tです。
それまでCONTAX-RTSなど数台を使っていましたので、CONTAXブランドからコンパクト機が発売されたということで発売日以前に予約を入れてまで購入したものです。
 外観は非常に高級感溢れるもので、黒の塗装も厚く美しく、さわって指紋が付くのも気になるほどのものでした。各部の動きも重厚で、コンパクトカメラにも関わらずアルミダイキャストのボディなのでずっしりとした重量を持ち所有感を満足させるに充分のものでした。
 歴史的には、このカメラの登場で高級コンパクト機のジャンルが始まったと思います。

 このカメラは今はもう手元に残っていませんが、小型にもかかわらず折りたたみ式T* Sonnar 38mm/F2.8が付き、二重像合致式のピント合わせまで付いていました。
 露出は絞り優先のオート、フィルム送りはボディにビッタリ格納されるレバーでおこなったと記憶しています。
 撮影した画像はZeissのレンズらしくトーンが豊富な柔らかいがビシッとした切れの良いものでした。難点は使い勝手があまり良くないことでした。それは折りたたみの蓋の下から指を回してピントと絞り値を合わせること、シャッターボタンが京セラ製のクレサンベール・サファイヤで作成したものなのですが、デザインを優先したためか天板に面一になっているため場所が指で探りにくい点でした。

 もう1台のカメラは、高級コンパクト機の最後のものとも言うべき今は無きminoltaのTC-1です。(もっとも富士フィルムからは今でもフィルム用高級コンパクト機が発売されていますが)

 このカメラも、発表時に入手したくなったカメラの1つですが、何しろ非常に高価なものだったのと、当時CONTAX Tvs IIとRicoh GR1を所持して常用して満足していましたのでふ~んって思っていたものです。

 あるとき、写真家として有名な知人の写真展があり見に行きました。確かアイルランド、東欧で撮った写真のようでした。静けさと歴史と自然が感じられる奥深い写真に感動したものです。
 そのすべての写真がTC-1で撮ったと告げられ、うーんと唸ってしまいまい、TC-1に憧れが

 ところが、イタリア旅行にRicoh GR1を持っていって沢山撮影していましたが、不幸にも鉄道で移動中に盗難に合ってしまったのです。カメラを盗られたことよりも、その時撮影したフィルムの方が残念だったことを今でも覚えています。仲良くしていただいた小さなホテルの女主人や従業員の方々などの大切な写真が入っていたからです。このRicoh GR1はリコーが出した記念すべき高級コンパクト機で今のGRシリーズに連綿とつながっていますが、その息の長さは非常に良く写る優秀なレンズと実践的なボディ・デザインと操作性を持っているためだと今でも思います。単にステイタス・シンボルではない道具としての高級機でした。

 幸いにして、イタリア旅行のときには保険をかけていたのを思い出しました。盗難証明書を出してもらおうと到着した民宿のママに相談をしましたら、さっそく町の警察に電話をしてくれました。

 ところが、この町の警察では英語を話せる警察官がいないので、鉄道で30分ほど走った先の街へ行ったら対応してもらえるというのです。数日して友人がローマから到着してから、いっしょにその街の警察まで行って、1時間ほど待ってからようやく証明を出してもらいました。

 帰国してから、書類を保険会社に送り保険金の請求をしましたら、減価償却分を引かれましたが約7万円の保険金がおりました。当時、TC-1はかなり値段が下がっていましたので、GR1を買い直そうか、それとも追金をしてTC-1を購入しようかと迷いましたが、結局誘惑に負けてTC-1を購入してしまいました。

 このカメラは、非常にコンパクトにもかかわらず必要な機能は全て備えていました。レンズはG-ROKKOR28mmF3.5という無理をしない代わりに、非常にコンパクトでカミソリのような解像力があり、発色も大変濃い画像を結びました。
 使い勝手は、GR1には一歩譲りますが、それなりに使いやすかった記憶があります。GR1のようにスナップをバシバシ撮るカメラではなく、感性にそってじっくり撮るカメラだと思います。
でも大変不幸なことに、デジタルカメラが使いやすくなってきた時期だったので、出番があまりありませんでした。

 長くなりましたが、結論としてRX100を使ってみて以上の2つのカメラを何故思い出したかですが、何点かあります。

 まずCONTAX-TとRX100には全体的なデザインとZeissのレンズを搭載した共通性を感じますし、もう1点共通する使いにくさですが、軍艦部のデザイン、ボタン類を面一に埋め込んで配置するなども共通するものです。

 またTC-1とは、専用ケースの有り様、上から見た時のデザインなどに共通性を感じます。もっともRX100は前面部から後面部へのつなぎは絞る形でデザインされていますが、TC-1は逆に後面部から前面部へ絞る形でデザインされています。



 では3つのカメラと発売メーカー、関連メーカーの歴史をちょっと見てみます。

1974年9月 ヤシカ、Carl Zeiss社と業務提携
1983年10月 京セラ、ヤシカを吸収合併
1984年3月 京セラ、CONTAX T発売
1996年3月 ミノルタ、TC-1発売
1996年   SONY、Carl Zeiss社と業務提携
2003年8月 コニカとミノルタが合併
2005年3月 京セラ、カメラ事業から撤退
2006年3月 コニカミノルタのカメラ部門がSONYへ事業譲渡
2012年6月 SONY、RX100発売

 皆さんは、どのように思われますでしょうか。デザイン、技術が継承され、RX100を生み出したような印象を私は受けました。
 ともかくも、良いものは継承されるべきですし、それによって進歩があればこれに越したことはありませんね。

2012年8月

【追記】このRX100は、この年の10月下旬から11月上旬に妻と行ったロマンティック街道への旅へ連れていきました。その時の写真を載せておきますので御覧ください。なお、容量を抑えるため写真は少し縮小していますのでご了承下さい。